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  第2回 「勅使河原宏先生と過ごした時間」 小沢忠恭  
草月会館4F教室での写真花撮影の様子(1981年撮影:勅使河原 桜)
草月会館4F教室での写真花撮影の様子(1981年撮影:勅使河原 桜)

「ファインダー越しに見た宏先生」

私がまだ若かった頃、宏先生の写真花に携わっている時、大きな芭蕉の葉の作品を
宏先生が生けました。
葉の後ろから照明を工夫して当てると美しい葉脈が現れて、そのライティングを
とても喜ばれました。
次も同じ芭蕉の葉の作品でした。
私をちょっと見つめ、そしていたずらっぽく微笑み、“芭蕉の葉を2枚重ねて、光を
透けないようにしてあるよ!!”
“今度はどう撮るの?”
まさに自分の技量を試された瞬間でもあり、宏先生は何事もひとつのところに
とどまらない作品作りをした人だったと今でも鮮明にその時のことを思い出します。

「宏先生の創造性」

次々と湧き上がるアイデアを現実に成し遂げ、願望だけにとどまらず、常にスタート
ラインに立って実行した人でした。
そして誰に対しても裏表がなく、スタッフや関係者とは常に自分と同じ目線で
行動していくことを好み、類似したものを作り続けないという点ではまさに自分に
厳しかったといえる。
新しいものを創造していくには、昨日まで作り上げたことを壊す作業に終始し、
ときには難しい顔を覗かせた。
新たな発見を喜び、それをクリエイティブにしていくことが好きだった。
ものつくりに対しても研究熱心で、“創造への努力は楽しいよ”と言っている時の
少年のような笑顔を、今でも時折思い出します。

「写真といけばな」

写真を撮る行為と花をいけることは結構似ていると思います。
自分にとって本当に撮りたいものに出会う為には、撮りたいものがはっきりしていない
と本物が写せない。花もまた数をいけて本当にいけたいものに出会うことが必要だと思う。
体調が悪いとか時間がないとかマイナス要素が重なると、感性が研ぎ澄まされ、
精神的に追い詰められる時ほど作品に向かう集中力が高まり絶好調だったりもする。
又、しばりがあるからおもしろいのかもしれない。
草月会館で行われた百人連花では誰もいない夜中に作品を撮り続けていました。
徹夜が続き、頭が朦朧としているとき作品の前にいけた人が現れたかのような錯覚に
陥りました。
まさに“作品は人である”と思いました。

「最近の草月とのかかわり」

「滝」というシリーズで雑誌草月と週刊現代に連載中。
今日まで撮った滝と、明日から撮る滝は絶対違うものを撮りたいと思っています。
流れ落ちる滝を撮るために時間を忘れ、正面から向かい合い、自由にならないものを
集中力で撮る。
その写真を宏先生に見てもらいたいと心の底から思っています。
現在は、茜家元の作品撮影も担当させていただいております。
埼玉県越生にある黒山三滝の一つ、天狗滝(撮影:小沢忠恭)
埼玉県越生にある黒山三滝の一つ、天狗滝(落差は約15m)
(撮影:小沢忠恭)
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草月会埼玉県支部