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父との食卓
草月流家元 勅使河原 茜
 
1999年末に病気が発覚して以来、父は何度も入退院を繰り返しました。
それまで父はいつも多忙だったので、私たち家族がみんなそろって食事をする
ことはそんなに多くありませんでした。
でも、病気になってから、退院し自宅療養している時や一時帰宅が許された時
には、必ず家族でそろって食事をするようになりました。まだ幼かった私の息
子たちは、一足先に食事をすませ、大人だけでいろいろ話をしながらゆっくりと
食事をしました。そのあと野球のテレビ中継を見たり、たわいないことで笑い
合ったり、ごくごく普通の家族の団欒の時間を楽しみました。
元気だったころの父は、私たち家族に対しても、弱みは見せないぞという気負い
があったように思います。けれど、病気だとわかってから、父は私たちに
自然に甘えてくれるようになりました。病気がそうさせたと思うと少し哀しい
気もしますが、頼りにしてくれているんだと思うととてもうれしくて、心から
優しい気持ちで父と向き合えました。
今振り返れば、病気と闘った最後の1年間は、父にとっても家族にとっても、
つらく苦しい時でもあり、また、哀しみと優しさが一緒になった、不思議と
充実した時間であったようにも思います。
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草月会埼玉県支部